ストレスチェック全事業所義務化は結構大変(2025.3.18)
「従業員が鬱になってしまって、仕事にも支障が出ている」
私も過去の職場で同僚が鬱になってしまったケースを経験していますから、この辺の感覚はよく分かります。
私の同僚はA4用紙一枚めくるのにもひどく時間がかかるようになっていて、事業主目線で見るならほとんど仕事を任せられない状況でした。
鬱までは行かなくとも、メンタルの不調で健康を害するということは頻繁に起きることです。
こうしたメンタル面のケアについて、興味深いニュースがありました。
ストレスチェック、全企業で義務化へ 従業員50人未満も対象に
記事によると次のような話です。
働き手のストレス状態を調べる「ストレスチェック」がすべての企業に義務づけられる。仕事が原因で心の病になる人が増えていることから、実施対象を従業員50人未満の小規模な企業にも広げて職場環境の改善を促す。
これは結構、影響の大きい話でして、今まで従業員50人未満なら求められてこなかったストレスチェックが、社長一人社員一人という小規模事業所でも義務になるわけです。
あくまで現行制度を前提にしての話ですが、ストレスチェックは年1回実施して、それを労基署に報告しなくてはいけません。
言うのは簡単ですが、結構ハードルがあります。
それでいて怠ると罰則(50万円以下の罰金)があります。
「質問項目をダウンロードかなんかして、従業員に回答させればいいんでしょ?」と気楽に考えるかもしれませんが、そうではないのです。
まずストレスチェックの実施者になれるのは、医師・保健師または研修を受けた看護師・歯科医師・精神保健福祉士・公認心理師に限られます。
つまり自社内にこれらの資格者がいない限りは、外注せざるを得ないということです。
お金がかかるわけですね。
現状のルールでストレスチェックが義務付けられている50人以上の事業所というのは、同時に産業医の選任も義務付けられています。
ですから、ストレスチェックの実施者も産業医が望ましいとされています。
しかし、小規模な事業所では産業医が付いていることはまずありません。
誰に頼むか、探さなくてはいけなくなるでしょう。
しかも、私のお客さんにも多いですが、社長と10名以下の従業員のような単線的な組織では、ストレスチェックの事務作業を行う「事務従事者」を置くことも難しいケースがあります。
というのはこの「事務従事者」、人事権を持っている人はダメなんですね。ですから社長さんが事務を引き受けるわけにはいかない。
そうなるとますます外注せざるを得なくなります。
幸い義務は年1回ですから、小規模事業所なら3~5万円で収まるとは思いますが。
記事によれば今国会で改正法が成立すれば、公布から3年以内に施行される予定だそうですから、まだ少し時間の猶予はありそうです。
人手不足時代ですから、雇った従業員は大切にして長く勤めてもらう必要があります。
ストレスチェックの義務化も、従業員のメンタルヘルス不調を予防するための仕組み化だとポジティブにとらえたいものです。
これから先はこういう取り組みを抜かりなく実践する会社が生き残るのだと思います。
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