従業員請負による手取り増1 ~メリット編~(2024.11.20)
前回のブログで
「従業員に自社の業務を「副業」として請負させる」という
スキームに言及しました。
今回と次回の2回に分けて、
このスキームについて説明します。
今回はまずこのスキームの詳細とメリットを、
そして次回はこのスキームがはらむリスク、
「偽装請負」問題について扱います。
◆理想的な「副業としての従業員請負」の外形
1 外注するのは仕事のうち最大2割程度
2 絶対に指揮命令はしない
3 任せた仕事の割合に応じて勤務時間も減らす
4 請負仕事は社外でやってもらう
この4点を必ず守りましょう。
その理由は次回語りますが、
まずは実例で考えてみましょう。
↓ このようにするわけです。
ひと月の仕事量100のうち20を請負にし、
給与も2割減額、
その減額分を請負代金にします。
会社負担分が8千円ほど下がっています。
ひと月8千円ですから1年で9万6千円。
対象者が3人いれば28万8000円の軽減です。
これは会社負担分の話なので、
本人負担分も8千円軽減されています。
従業員が受け取るお金は、結局月30万円なので同じ。
つまり従業員は
8千円手取りが増えているのです。
ただし。
請負にするということは
コストも従業員負担です。
それが事務作業なら
パソコンは自分のものを、
電気代も、印刷した紙代も、
情報管理の責任も
個人で負担です。
これらの事情は考慮すべきですが、
事務作業の外注なら
増えた手取り8千円で十分吸収できるでしょう。
さらに前回も指摘しましたが、
請負にすれば、
その仕事に関しては
従業員も完全な自由裁量が手に入ります。
納期と品質さえ守れば
夜仕事しようが、朝仕事しようが自由。
他人にやらせてもいい。
好きな音楽を聴きながらやってもいい。
寝ぐせ頭でパジャマ姿でもOKです。
従業員のモチベーションは、
給与額 × 裁量の大きさ
だというのが私の持論です。
給与額が仮に低くても
裁量が十分に大きければ、
やりがいを持って働けるものです。
人手不足時代には
いい給料を出さないと人材確保は難しい。
いい給料が出せない会社は
十分な裁量を与えましょう。
このスキームは、
従業員に裁量を与えつつ
事業所の負担も軽くできるので
これからの時代にフィットしたやり方です。
ただしこのスキーム、
実は昔から存在していて
「偽装請負」として
非常に評判の悪い手法です。
次回はこのスキームの負の側面と
先の4条件の意味について
説明します。
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